第76話もう腐ってる

「あなたの助けが必要だって? どうしていつもそんなに自分のことばかりなの?」

エミリーは言葉を失い、信じられないというふうに危うく白目をむきそうになった。

ジェームズの顔色がさっと陰り、視線をハロルドに据えた。「で、おまえが好きなのはあいつか? それとも隣の男か? まさか、両方ってわけじゃないよな?」

言い終えるより先に、拳が容赦なく彼の顔面を打ち抜いた。

ジェームズの頬はみるみる腫れ上がった。

アーロンがジェームズの襟首をつかみ、もう一発叩き込もうと身構える。

「もううんざりだ。ずっと殴ってやりたかった。おまえみたいな人間がどうしてエミリーの婚約者になれる? 婚約者が婚約者にあん...

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